電動モビリティのコンサルタント会社「P3」による電気自動車(BEV)の充電指数「P3CI(チャージング・インデックス)」のアジア版が27日発表され、 ハイパーBEVともいわれる「ロータス・エメイヤ」が他を圧倒する充電性能を示した、と発表した。
P3CIは、20分間で航続距離300㎞分を充電できる車両の指数を1.0とするもので、1充電当たりの航続距離のほか充電速度などBEVの充電能力を表している。P3は2019年から欧州で同指数を発表、昨年には米国版に取り組み、韓国で開催された第37回電気自動車シンポジウムを機に今回初めてアジアで実施した。
ロータス・エメヤ「1.53」、ついでメルセデスEQS450+の「1.24」
アジア版では、アジアで量販するモデルや性能面で新たな基準を打ちだしたメーカーの10台をテスト。メルセデス・ベンツ「EQS 450+」やBMW「 i7 eDrive50」、起亜「EV9」と「ジェネシスG80」、現代自動車の「Ioniq 6 RWD」、さらに中国ブランドのBYD「Atto3」とNio「 ET5 Touring」、長距離バッテリーを搭載したXpeng「G9」を対象にした。テスラの「モデルY LR RWD」と中国・吉利集団傘下のロータス「エメヤ」もテストした。これらテスト車両は、北米と欧州でP3自身で実施した。
これによると、ロータス・エメヤが「1.53」と過去最高の充電インデックスを達成した。20分間で458㎞を走行するのに十分な電力を充電した。とくに、同車はわずか充電開始から14分後にすでに10%から80%まで充電。最初の10分間では、402kWでピーク時の310WLTPキロメートルが充電され、後半の10分間では148キロメートルにとどまった。10分から80パーセントまでの平均充電出力は331kWだった。
ピーク充電性能で2位はスコア1.24だったメルセデスの「EQS 450+」で、400ボルトシステムにより充電速度は遅いものの、ピーク時には安定して充電した。3位はスコア1.20となったXpeng「G9」。ピークは320kWだったが30%の充電レベルまではこの充電パワーを維持できなかった。
全体では、テストした10車種のうち7車種で指数1.0を超えた。燃費では、空力的に最適化されたIoniq 6に、モデルYとBYD Atto 3という2つのSUVモデルが続き、EQS、Emeya、G80 electrified、i7といった他のサルーンを下回った。(2024年5月28日)