ZFと中国・吉利グループの商用車メーカー、Farizon(ファリゾン)は18日、今年6月に結んだ戦略的提携をさらに強化していくことで合意した、と発表した。同日、独ハノーバーで開催中の国際モーターショー「IAAトランスポーテーション2024」会場で覚書に署名し発表した。これにより、ZFはファリゾンの新エネルギーインテリジェントトラック開発でフルシステムサプライヤーとなる。
IAAトランスポーテーション2024会場で覚書署名
今回の提携強化は、両社の戦略的パートナーシップ拡大するもので、「安全、スマート、持続可能なさらなる地平線への旅」をテーマに、ファリゾンが推し進めている新エネルギー車両開発にZFの先進技術を重点活用するためだ。具体的には、①ZFのトランスミッション②eモビリティソリューション③ブレーキ④サスペンション⑤ステアリングおよびADAS技術の領域でサポートする。
また、エネルギー消費の最適化やトラックトレーラーの安全性、高度なインテリジェンスのためのソリューションも対象とし、大型トラックだけでなくファリゾンの全車両に適用する予定だ。両社では、今回の提携でメタノール・水素エコシステムの確立と改善も盛り込んでおり、「新エネルギー産業の変革を共同で加速させていく」考えだ。
ZFの商用車ソリューション部門を担当するペーター・ライアー取締役は「この協力関係は、両社が技術革新と市場開発に真剣に取り組んでいることを示している」とし、「メタノール・水素・電気技術の開発は、商用車業界によりクリーンで効率的な新しいエネルギーソリューションを提供することになるだろう」と述べた。ファリゾンのファン・シアンジュンCEOは「持続可能な開発は、今や世界的なコンセンサスとなっている。ZFとファリゾンはそれぞれの分野におけるリーダーであり、両社の包括的な戦略的協力関係は、中国および世界中の商用車ユーザーに、よりクリーンで経済的かつ効率的なソリューションを提供し、ゼロ・カーボン道路輸送の新たな未来を加速させる」と話した。(2024年9月18日)