
欧州自動車部品工業会(CLEPA)は18日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長宛てに書簡を送り、域内自動車産業の競争力維持に向けた政策強化を求めた。電動化・デジタル化への投資負担に加え、中国を中心とする低価格部品の流入が欧州のサプライチェーンを揺るがしているとして、「欧州車」の明確な定義導入を柱とする産業政策を提案した。
書簡によると、欧州の自動車サプライヤーは車両価値の約75%を担い、研究開発や雇用創出の中核を占める。しかし近年は国家補助や過剰生産を背景とした価格競争の激化に直面し、2025年には中国からの自動車部品輸入額が82億ユーロに達した。5年前には約70億ユーロの黒字だった対中部品貿易は、0.7億ユーロの赤字へ転落し、従来欧州が強みを持った分野でも競争力低下が鮮明になっている。
同団体は、欧州の技術主権維持のため、EUが検討する産業政策「インダストリアル・アクセラレーター法」において公共調達や補助金を域内付加価値創出と連動させるべきだと主張。具体的には「欧州車」を車両ベースで75%以上の域内付加価値(電池除く)と定義し、電動パワートレーンや電子部品など重要技術で段階的な域内比率基準を設けることを求めた。
欧州自動車産業はEVシフトの加速、エネルギーコスト上昇、中国メーカーの台頭など構造変化に直面している。コンサルティング会社の試算では、対策を講じなければ2030年までに最大35万人の雇用が域外に流出する可能性があるとされ、部品業界は「依存より主権を選ぶべきだ」とEUに対応を迫っている。(2026年2月19日)