アウディは2日、3代目となる「新型Audi Q5 SUV」を発表し、欧州での販売を始めた。内燃機関の次世代プラットフォーム「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」を初めて採用したSUVモデルとなる。 引き続きメキシコで生産する。価格は52,300ユーロ(約848万円、TFSIモデル)から。
SUV初のPPC採用モデル
アウディQ5はミドルサイズのSUVで、2008年から発売し今回で3代目となる。2016年からはメキシコのサンホセ・チアパ工場で生産している。48ボルトのマイルドハイブリッド車で、将来はプラグインモデルも投入する計画だ。
メキシコ生産。プラグインハイブリッドモデルの追加も予定
新型車は新しいインテリアコンセプトを採用し、後席が完全リクライニングとなったほか、ベーシック、アドバンスドエクステリア、Sラインエクステリアの3つのバージョンと、11色のカラーバリエーションを持つ。なかでも、Sモデルには独自のエクステリアとしてフロントのエアインテークを大型化し、L字型ウイング形状のエアロチューブとしてデザインした。
アウディのゲルノット・デューナーCEOは、「この新型車は高効率な新型エンジンシリーズの第2弾で、当社の製品ラインナップの若返りにおける次の重要なステップとなる」と述べた。
ドイツ市場で販売する「新型Q5 SUV」は、ボディカラーやエンジンに応じて、17インチから21インチまでのサイズのアルミホイールを装備。Sモデルには他のSモデル同様に鍛造21インチホイールをオプションで用意した。インテリアデザインは「人間中心」、「視覚的な明瞭さ」といったアウディ伝統のデザイン思想を継承しながら、深化させた。
なかでも、ドライバーと助手席乗客の正面に設置した「デジタルステージ」はパノラマタイプで、湾曲したデザインとOLEDテクノロジーを採用したタッチディスプレイとなる。間接照明で視覚的な浮遊効果を生み出すほか、 車内の全幅にわたってLEDライトストリップとして「ダイナミック・インタラクション・ライト(IAL)」を設置するなど、ライティングにこだわった。
MHEVを搭載した超近代的な内燃エンジン
新型車には、従来型のエンジンを縦置き搭載する車両のためのプラットフォームアーキテクチャであるプレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)をベースに当面、全モデルはMHEV plusテクノロジーを搭載する。パワートレイン・ジェネレーター(PTG)は、最大230ニュートンメートルの追加駆動トルクと最大18kW(24hp)の電力を発生する。エンジンは3種類で、エントリーレベルの「2.0 TFSI」は最高出力150 kW (204 PS)、最大トルク340 Nmを発揮する前輪駆動。また、EA288 evo世代の「2.0 TDI」は最高出力150 kW (204 PS)、最大トルク400 Nmの全輪駆動。そして、シリーズのトップモデル「Audi SQ5」では、排気量3リットルのV6 TFSIエンジンから270 kWの出力と最大トルク550ニュートンメートルを発揮するという。
メキシコ生産で小売り的な水管理も実現
メキシコのサンホセチアパ工場で生産。プラグインハイブリッド車も追加生産予定だ。同社は持続可能な水利用をめざし、世界で初めて「AWS(Alliance for Water Stewardship)」の基準を満たす工場として認証された。逆浸透システムや専用の潟における雨水の収集など、水の持続可能な利用に向けた数々の対策を施し、計年間15万立方メートルの水、オリンピック用プールで60杯分を節約したという。
この9月からドイツなど欧州で予約を受け付け、来年第1四半期に納車予定だ。価格は、Audi Q5 SUV TFSI 150 kWが52,300ユーロからで、Audi Q5 SUV TFSI quattro 150 kWは54,650ユーロから、ディーゼルエンジンのAudi Q5 TDI quattro 150 kW は57,100ユーロから。Audi SQ5 SUVは82,900ユーロからとしている。(2024年9月3日)