欧州自動車工業会(ACEA)は19日、欧州連合(EU)にCO2規制の見直しを前倒しするよう緊急の救済措置を求めた。電気自動車(EV)需要が減退するなかEV普及を前提にしていた排ガス規制への対応が難しくなった、との理由から。
8月の欧州EV販売は43%減
ACEAは同日8月の新車販売台数を発表、全体が前年同月に比べ18.3%減となるなかEVは9万2,627台と前年同月比で43.9%減と大きく下回り、「電気自動車市場が現在も継続的に下降線をたどっていることを改めて裏付けるもの」(ACEA)となっている。これを受けて、ACEA理事会は「ゼロエミッション車の生産と普及に必要な後押しとなる重要な条件が欠如している」とし、「ゼロエミッションへの移行は非常に困難であり、2025年の乗用車および小型バンのCO2排出量削減目標の達成に対する懸念が高まっている」と指摘。2026年と2027年にそれぞれ予定している小型車と大型車の排ガス規制を2025年に前倒しするよう要請した。
2025年に前倒ししての規制見直しを要請
ACEAは、「パリ協定およびEUの2050年運輸部門脱炭素化目標を支持している」としたうえで、充電や水素補給のインフラ、競争力のある製造環境、手頃な価格のグリーンエネルギー、購入や税制上の優遇措置、原材料、水素、バッテリーの安定供給など、「ゼロエミッション車の生産と普及に必要な後押しとなる重要な条件が欠如している」と訴えた。このため、2026年と2027年に見直す予定のCO2規制を前倒し修正するとともに、救済措置を講じるべきだとの意見を示した。(2024年9月19日)