• 2025-04-30

ボルボ・カーズ、業績悪化でコスト削減計画を発表

ボルボ・カーズは29日、2025年第1四半期のグループ営業利益(EBIT)が19億3,900万スウェーデンクローナ(SEK、289億円)と前年同期に比べ59%減と大きく減益した、と発表した。新車販売減と為替差損が影響した。同社は総額180億SEK(2,660億円)に及ぶ経費削減計画を同時に発表し、人員削減や投資を縮小する。また、トランプ関税で揺れる米国市場の事業強化を狙い、地域事業組織「アメリカズ」を設け取り組むことを明らかにした。

営業収入は829億4,800万SEK(1兆2,375億円)で前年同期比11.6%減った。新車販売が17万2千台と同5.7%減り、激化する販売競争に見舞われた。販売費などの経費は抑制しながらも研究開発費は同11.2%増の42億5,600万SEK(635億円)と増え、営業利益は同58.8%減の19億3,900万SEKに落ち込んだ。

こうした業績悪化を受けて、同社は「利益率の保護と直接・間接コストの構造的効率化を推進する」とし、総額180億SEKの「コスト&キャッシュアクションプラン」を策定。変動費削減措置として30億SEK、間接費効率化措置として50億SEKに取り組む。2026年業績にその半分程度は反映できるとし、さらに2026年までの2年間で100億SEKを追加削減する方針だ。

この4月から再びCEOに就任したホーカン・サミュエルソン氏は「自動車業界は、これまで経験したことのない困難な時期の真っただ中にある。市場の不確実性の中、キャッシュフローの改善とコスト削減をさらに進める必要がある。今後、利益率の向上と電動化、地域戦略の強化の3つを重点的に取り組む」と述べた。

地域別の営業収入は、欧州が449億2,400万SEK(6,702億円)で前年同期比12.9%減り、また中国も同18.6%減の121億2,700万SEK(1,809億円)にとどまった。米国は同1%増の153億2,800万SEK(2,287億円)と維持した。日本は16億1,400万SEK(240億円)で18.8%増だった。新車販売のうちBEVの販売台数は同15.2%減の3万2,400台だった。(2025年4月29日)