
ボルボ・カーズとポールスター社は3日、ポールスターの次世代プレミアムコンパクトSUV「ポールスター7」をボルボ・カーズのスロバキアにあるコシツェ工場で生産する、と発表した。2028年に販売予定。コシツェ工場はボルボ・カーズの欧州で3カ所めの生産拠点で、2026年にも稼働させる計画だ。自車に加えポールスター車を生産することで新工場の稼働率を高める狙いだ。
スロバキア「コシツェ工場」で
両社は3日、ポールスターの次世代プレミアムコンパクトSUVの開発と生産で合意し、覚書を締結した。ボルボ・カーズのコシツェ工場で生産する予定で、コシツェ工場で生産される2番目の車種となる。ポールスター7は吉利汽車のアーキテクチャーを基盤に、ボルボの「ボルボEX60」などと部品を共通化するなどグループ内の協業メリットを生かしたハイパフォーマンスEVとなる。
両社協業の新たな形としても
ボルボ・カーズのハカン・サミュエルソン社長兼CEOは、「ポールスターとのポールスター7の開発と製造における協業は、ボルボ・カーズとポールスターがシナジーを生かし独自の顧客セグメント向けに優れた車を効率的に提供し続けることを示している」と話し、従来の「ポールスター2」と「ポールスター3」での協業に次ぐグループ連携であることを強調した。
また、ポールスターのマイケル・ローシェラーCEOは「グループアーキテクチャを将来のモデルラインアップの基盤として活用する当社の戦略により、コスト効率の良い方法で最先端技術にアクセスできる」と述べ、両者協業への期待感を示した。
その生産拠点となるコシツェ工場は、ボルボ・カーズの欧州における3カ所めの組み立て工場で、2040年までにカーボンネットゼロをめざすEV専用工場となる。約12億ユーロを投じ、年間最大25万台の生産能力を見込んでいる。ボルボ・カーズはスロバキアにこの新工場を建設することで、西欧のゲント工場(ベルギー)と北欧のトルスランダ工場(スウェーデン)と欧州全域をバランス良く補完できる生産体制となり、同地域での自動車サプライチェーンとしても最適化できるとみている。(2025年7月4日)