
ボルボ・カーズの業績が急速に悪化している。17日発表した2025年4~6月期(Q2)業績は、新車販売が18万1,600台と前年同期比11.6%減に落ち込み、売上高が同8.8%減の934億9,200万SEK(スウェーデン・クローナ、1兆4,210億円)、営業利益は前年同期の79億6,900万SEK(1,211億円)の黒字から99億5,500万SEK(1,515億円)の赤字へと転落した。同社は、すでに打ち出している人員削減を推し進めるとともに、グループである中国・吉利汽車と調達部品などの協業を強化し、一層のコスト低減に取り組み早期の業績立て直しを強調した。
吉利汽車との協業拡大で原価低減急ぐ
Q2業績の発表で、同社の今年上半期(1~6月)の売上高は1,764億4千万SEK(2兆6,818億円)となり、前年同期から188億9,200万SEK(2,871億円)、率にして9.7%減った。前年同期比11.6%減の18万1,600台にとどまった販売減により106億SEK(1,611億円)、為替で49億SEK(744億円)などが減収理由。
営業利益は前年同期から179億2,400万SEK(2,724億円)減り99億5,500万SEKの赤字となった。1~6月の上半期でも80億1,600万SEK(1,218億円)の営業赤字に転落した。
人員削減計画 すでに3分の1が退職
ボルボ・カーズはQ1業績の発表時に大胆なコスト削減策を打ち出している。3,000人の人員削減を計画、これまでに1,100人がすでに離職しているという。また、グループの中国・吉利汽車との協業拡大で調達部品の原価低減を急ぐほか、注力するEVモデルのラインナップ拡充と合わせてBEVではなくPHEVモデル「VC70」をまずは中国市場に投入、EV需要の減速に対応した販売戦略の立て直しを推し進める考えを示した。(2025年7月17日)