フォルクスワーゲン(VW)は17日、中国で電気自動車(EV)モデル「ID.」シリーズの新ブランド「ID.UNYX」を投入する、と発表した。中国専用のサブブランドで、中国の大都市を対象に専用店舗を設け主に若者向けの販売を狙う。VWは「In China, for China」戦略を打ち出し中国での競争力を強化していく方針で今回、専用の新ブランドを展開することで中国市場戦略を明確に加速させる狙い。
中国大都市に専用店舗を開設し、若年層にアピール
VWは中国向けに新しいサブブランド「ID. UNYX」を展開することを明らかにし、その第1弾として「E-SUVクーペ」を初公開した。先進的なデザインとパーソナライズ可能な3Dアバターを備えたスマートなヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)、600kmを超える航続距離を特長としている。VWは「ID. UNYX」を中国の大都市に住む若い顧客をターゲットと位置づけている。今後、20都市にある40の専用店舗を設け、バーチャルリアリティやAR(拡張現実)などの最新技術を通じて車両体験を提供する計画だ。
3年以内に4車種を追加
同社では、2026年までにUNYXモデルを追加していく計画で、今後3年以内にさらに4車種を追加する予定だ。また、VW全体でも2030年までに計34の新型車を導入していく方針で、中国市場でのプレゼンス強化を一段と高めていきたい考えだ。UNYXを含み新たに16のEVモデル「ID.」と、12 の内燃機関を搭載した新モデル、さらに6つのプラグインハイブリッドモデルを投入していく意向だ。
VWブランド・チャイナのステファン・メカCEOは 「新しいID. UNYXにより、私たちは中国における電動ID.モデルのスペクトルを広げていく。VWブランドにとって、ライフスタイルを重視する若いターゲット層を惹きつけ、既存顧客を維持するカギとなるだろう」と話す。
ID.UNYXは、中国東部の合肥市で生産。今回お披露目した新モデルはID.UNYXのエントリーバージョンで、リアアクスルに210kW(286PS)の電気駆動モーターを搭載し、77 kWhのバッテリーを備えている。これにより、最大621kmの航続距離(CLTC基準)を達成。また、2つの電気駆動モーターを搭載する出力250kW(340PS)の全輪駆動バージョンも用意する。(2024年7月17日)