中国の新興自動車メーカー、吉利汽車(GEELY)が21日に発表した2024年上半期(1~6月)決算は、輸出を含む好調な販売を反映し売上高は前年同期比46.6%増の1,073億元(2兆3,756億円)と初めて1千億元台となり過去最高を記録した。同社は今年の新車販売を190万台から200万台に上方修正したほか、電動車販売を前年比70%増、輸出販売台数を同45%増とする方針を明らかにした。
年間販売200万台に上方修正
吉利汽車、Lynk & Co、ZEEKRの3ブランドの主要株主である吉利汽車控股有限公司(吉利汽車)の業績が予想以上の好調ぶりを示している。電動車販売が前年比117%増の32万台となったほか、海外市場への輸出販売も前年比67%増と大幅な伸びを示した。これにより、売上高は前年同期比46.6%増と大きく増え、半期としては同社初となる1千億元台をマーク。株主に帰属する純利益は前年同期比574.7%増の106億元(2,346億円)となった。売上総利益は162億元に増加し、売上総利益率は15.1%となった。
電動車販売、倍増の32万台に
吉利汽車の期中の新車販売台数は95万6千台で、前年同期比で41%増。このうち、電動化および新エネルギー自動車は同117%増の32万台と倍増した。これにより、電動車シェアは前年の21.8%から33.5%に増えた。こうした電動車販売の伸びは、同社ハイエンド電動モデルとする「Galaxy(ギャラクシー)」シリーズが前年同期比742%増の8万1千台へと大きく伸ばしたのが奏功した。
同社プレミアムブランドとなる「LYNK & CO」の販売台数は同53.6%増の12万6千台だった。同ブランドは今年6月末までに、発売以来117万台以上を販売したという。また、上半期のハイブリッドモデルの累計販売台数は6万4,072台に達し、ブランド全体の50.9%と半数を占めた。
高級EVブランドの「ZEEKR(ジーカー)」は、同106%増の8万7,870台を販売した。なかでも6月に2万106台を納車し、同社としては単月で初の2万台以上を販売した。また、マレーシアのPROTON(プロトン)もこの上半期、7万8千台超えを販売し純利益が1億2,600万人民元(27億8千万円)と過去最高を記録した。吉利汽車の「X50」「X70」をベースとした派生商品の販売が1万台を超え、それぞれのセグメントでトップを確保した。
インテリジェント電動化への投資拡大
一方、輸出販売台数は197,428台で、前年同期比で67%増だった。2024年上半期には30カ国で販売。吉利汽車とルノー・コリアの合弁事業も累計販売4万2千台に達したという。
同社は今年下半期の見通しとして、販売は引き続き堅調に伸びるとし年間販売目標を200万台に引き上げた。また、新エネルギー車を含む電動車販売を70%増、輸出販売台数を45%増とする計画を明らかにした。なお、ボルボ・カーズなどを含むグループ全体の上半期の販売台数は前年同期比25%増の149万3,715台だった。(2024年8月21日)