中国の新興電気自動車メーカーの上海蔚来汽車(NIO)は20日、2024年第3四半期(Q3、7~9月)の業績を発表した。新車販売は四半期で過去最高となる6万1,855台(前年同期比11.6%増)となったものの、値下げ圧力の高まりから営業収入は前年同期比2.1%減の186億7,350万人民元(3,824億円)にとどまった。営業損益は前年同期に比べ3億9,300万人民元赤字が増え52億3,780万人民元(1,072億円)となった。
値下げ圧力で減収
同社は9月にファミリー向けの新ブランドを立ち上げ、ミドルサイズの電動SUV「ONVO(楽道)」を発売。既存のNIOブランドに加えた品揃えをしたものの、値下げ圧力は高く自動車の売上高は前年同期比4.1%減の166億9,760万人民元(3,419億円)にとどまった。売上総利益は20億740万人民元(411億円)と前年同期に比べ31.8%の高い増益を示し、売上利益率は10.7%(前年同期8%)と初めて2ケタに乗せた。
一方、コスト増も伴っており、研究開発費は同9.2%増の33億1,870万人民元(679億円)に、販管費も同13.9%増の39億140万人民元(799億円)となった。
Q4営業収入は初の200億人民元か
第4四半期の業績見通しは強気で、新車販売で7万2千台から7万5千台、率にして43.9%増から49.9%増とし、これによる営業収入は196億7,600万人民元から203億8,300万人民元、同じく率にして15%から19.2%増の伸びを見込んでいる。
同社創業者でもあるウィリアム・ビン・リー会長兼CEOは「中国のBEV市場のうち、30万人民元(614万円)以上の価格の車両でトップの地位を確保した」とし、高価格EV市場での競争力をテコに年間100万台をめざす事業計画の達成に自信を示した。(2024年11月20日)