
中国の新興EVメーカー蔚来汽車(NIO)は2日、2025年第2四半期(4〜6月、Q2)業績を発表した。期中の販売台数は7万2,056台と前年同期比25.6%増となり、前Q1からは71.2%増と大幅に伸ばした。新ブランド「ONVO」や小型EV「FIREFLY」の寄与が鮮明となった。
4~6月の新車販売は過去最高に
営業収益は前年同期比9.0%増の190億870万元(約3,938億円)で、うち車両売り上げは161億3,610万元(約3,343億円)に達した。売上総利益率は10.0%と前年同期(9.7%)から改善し、前Q1(7.6%)から大幅に上昇。営業損失は49億890万元(約1,017億円)と前年同期比で縮小し、コスト削減効果が着実に表れた。一方、車両マージンは10.3%と前年同期の12.2%から低下しており、製品構成の変化が影響した。
「ONVO L90」納車開始し販売に勢い
同社の販売台数は7月に2万1,017台、8月は3万1,305台と過去最高ペースを維持。2025年の累計販売台数は16万6,472台に達した。7月にファミリー向け大型SUV「ONVO L90」の納車を開始し、8月には新型フラッグシップSUV「ES8」を発表。9月下旬から納車を予定するなど、製品攻勢を加速させている。
李斌(ウィリアム・リー)CEOは「新型車の好評を背景に、第3四半期は8万7,000〜9万1,000台の納車を見込み、過去最高を更新する」と強調した。ユーCFOも「効率改善の効果で非GAAPベースの営業損失は前期比30%以上改善。財務面の構造転換点に近づいている」と述べ、収益改善への自信を示した。
同社は7月に中国子会社への追加投資200億元(約4,144億円)を決定し、支配持分を91.8%に拡大。マルチブランド戦略と充電・バッテリー交換インフラの優位性を武器に、EV市場での競争再定義を狙う。(2025年9月2日)