BMWグループは5日、ミュンヘンの4気筒本社ビルの玄関を1973年以来飾っていた、ゲルハルト・リヒターの作品群「赤-黄-青」を修復し特別展示する、と発表した。50年前のオリジナルの色彩の深みと統一感を、修復家のエッケハルト・クニアー氏がBMWのために再び命を吹き込んだという。
ゲルハルト・リヒターは現代画家で、1973年に建築家カール・シュヴァンツァーの代表作でもあるBMW本社ビルの玄関ホワイエを飾ってきた。「赤-黄-青」グループは、色と形を調和させながらも挑戦的な方法で組み合わせ、リヒターならではの華麗に拡大された筆跡が特長だ。その50年を記念し、BMWは絵画を大規模し、特別にデザインされたガラスのショーケースに収めた。
BMWグループでは、「文化と芸術に対する長期的なコミットメントの一環として、この印象的な作品群の包括的な修復を依頼した。最新の技術と技法を駆使し、リヒターが描いた本来の色彩の輝きと力強さを取り戻し、同時にリヒターが描いた当初のビジョンの完全性を尊重した」という。
リヒターの作品は、パレットの上で自ら調合した色見本の写真から制作されることが多く、リヒターが1973年にミュンヘンのBMW本社のために制作した3点の「赤-黄-青」の大判絵画はその代表作。リヒターはその後、キャンバス上の三原色を混ぜ合わせた抽象絵画や、グレーの構造を持つ生き生きとした絵画の表面表現にも力を注いだ。