• 2024-12-23

ステランティス、オラノと合弁でEV用バッテリーのリサイクル事業に進出

ステランティスは24日、フランスの核燃料サイクル会社のオラノ社と合弁会社を設立し、ヨーロッパと北米のギガファクトリーから排出される使用済みEV用バッテリーとスクラップをリサイクルする、と発表した。2026年前半にも生産を始める。自動車メーカーがEV用バッテリーを生産からリサイクルまで一貫して取り組むシステムを確立することなる。

合弁事業では、オラノが持つ低炭素技術を活用し、リチウムイオン電池からすべての材料を回収、新たに正極材として再生する。これにより、「ブラックマス」または「アクティブマス」と呼ばれる材料を生産し、フランスのダンケルクに建設するオラノ社の湿式冶金工場で精製、電池として再利用する。両社では、金属の回収率が「90%以上という非常に高いレベルに達することができる」としており、これにより自動車メーカーはEV用バッテリーのリサイクル率を欧州委員会(EU)が策定した、電池素材に再生材料の仕様を義務づける、いわゆる電池指令に基づく基準を確保できるという。

ステランティスのサーキュラー・エコノミー・ビジネス・ユニットのアリソン・ジョーンズ上級副社長は「天然資源の不足と持続可能性という課題に対応するため、オラノ社との今回のような解決策を見出した」と述べ、その意義を強調するとともに、同社が戦略計画 としてめざす2030年までに循環経済の総収入で20億ユーロ(3180億円)以上をめざす取り組みの一手と位置付けた。