• 2024-12-23

BMWグループ、パルスドルフでバッテリー・セルのサンプルを生産

BMWグループは26日、ミュンヘン近郊のパースドルフにある新しいセル製造コンピテンス・センター(CMCC)で2025年以降のノイエ・クラッセのモデルに使用される新しいバッテリー・セルのサンプル生産を始めた。BMWグループは第6世代の電動ドライブ・トレインの立ち上げや全固体電池(ASSB)の開発などに、総額約1億7,000万ユーロ(約270億円)を投じ取り組んでおり、その一歩を踏み出した。

新しいバッテリー・セルのサンプルは、 高さ95ミリの円筒形で直径は46ミリのサイズ。電極の製造から、例えば負極用のグラファイトと正極用のニッケル酸化物からなる基材を、バインダーや溶剤とともに計量し、正確に測定された比率で混合。いわゆる「スラリー」が作られ、ここにウェハー状の薄い金属箔をコーティングし乾燥後に圧縮する。セルを組み立てる際、このコーティングされたカレンダー電極と呼ばれる箔にセパレーターを使っていわゆる「ゼリー・ロール」に巻かれ、セル・ハウジングに挿入しセルを電解液で満たすことで充電が始まる。これを2025年以降のノイエ・クラッセのモデルに使用しようと、サンプル生産した。

BMW AGのミラン・ネデルイコヴィッチ取締役会メンバー(生産部門担当)は「セル製造コンピテンス・センターによって、私たちはノイエクラッセにおける技術の飛躍的進歩に重要な貢献をしている」と話し、今回のパルスドルフでのバッテリー・セルの・サンプル生産により、ミュンヘン北部にある既存のバッテリー・セル・コンピテンス・センターを完璧に補完し、パルスドルフでの量産化につなげたい考えだ。

パルスドルフでのCMCCでは、資源利用の最適化にも取り組んでおり、生産工程から出る残留物をCMCCに集め生産サイクルに戻す。すでに、ミュンヘンのバッテリーセル・コンピテンス・センター(BCCC)では、100%リサイクルするとともに二次(バッテリー・グレード)正極材料から作るバッテリー・セルで特性評価テストを行っている。CMCCも高い環境基準に基づいて建設されており、バッテリーセル生産に使用される設備は排出ガス規制の承認手続きを経ている。なかでも、CMCCは化石燃料を使用しないという。