GMベンチャーズは8日、ミネアポリスのナイロン・マグネティックス社と提携しEVモーター用永久磁石の実用化に取り組む、と発表した。ナ社の永久磁石はレアアースなどの材料を用いず、世界で唯一永久磁石であることからEV競争力に不可欠と判断した。
EVモーター・ローターに用いられる永久磁石は通常、テルビウムやジスプロシウム、プラセオジム、ネオジムなどのレアアースから作られており、その多くは高価でほとんどを海外で生産している。GMは北米での、持続可能なEVサプライチェーンの確立を狙い、豊富で手頃な価格の材料である窒化鉄をベースに永久磁石としたナ社と手を結びその実用化に共同で取り組む考えだ。
GMベンチャーズのアニルバン・クーマー社長は、「当社はナイロン・マグネティックス社の独自技術が、EVモーターからレアアース鉱物を削減する上で重要な役割を果たし、北米を拠点とするEVのサプライチェーンをさらに拡大するのに役立つと確信している」と話し、同社への投資理由を述べた。
これにより、GMベンチャーズはナ社への投資を通じて30社以上のポートフォリオ企業に仲間入りした。ナ社の生産規模を拡大し、持続可能な磁石の商業化をサポートする方針だ。GMは約40年前に希土類永久磁石を発明しており、「次世代の自動車用磁石技術を市場に投入し、GMが掲げるすべての人をEVに乗せる」ことを目標にしているという。