中国新興EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO)は5日、2023年第3・四半期(7~9月、Q3)を発表した。四半期では新記録となる新車販売を示し売上高も前年同期に比べ46%も増えながらも、依然として収益力は低く営業赤字は48億4,390万元(995億4,200万円)に拡大した。
期中の新車販売台数は5万5,432台で、前年同期比75.4%増と高い伸びを示した。四半期としての販売台数としては新記録をマークし、同社によると30万元(616万円)以上のBEVではシェアも45%となり、中国でベストセラーだという。
売上高は190億6,660万元(3,883億8,660万円)で、ぜ年同期比46.6%増だった。しかし、研究開発費が30億元(624億円)規模となっているほか、積極的な新車販売で経費負担が縮小せず営業赤字は前四半期期を10億元(205億円)上回る48億4,390万元に拡大した。なかでも今年発売した新型SUVは3万元(60万円)以上の値引きを行い増販につなげた格好だ。
NIO創業者でもあるウィリアム・ビン・リー会長兼CEOは「当社は最近、2年間の事業計画を徹底的に見直し、組織の最適化をはじめコスト削減、効率性向上を図った。引き続き、コア技術を向上し主要製品の開発、販売・サービス能力の拡大に注力していく」と述べた。また、第4四半期の新車販売見通しは47,000台から49,000台とし、2022年同期比で約17.3%から22.3%増加する見込みを明らかにした。
一部報道によると、同社はコスト削減のため約10%の人員削減に着手したほか、UAEなどからの資金調達を図り財務の健全化に注力しているという。