• 2024-09-29

フォード・モーターの2023年業績は、主力のトラック「F-150」などの堅調な販売が貢献し売上高は前年比11.5%増の1,761億9,100万ドル(26兆1,079億円)は伸びたものの、資材費などの原価高騰と電気自動車の赤字拡大で営業利益は同13%減の54億5,800万ドル(8,033億円)にとどまった。同社は2024年も堅調な収益が見込めるとし、2023年が104億ドルだった税引き前純利益が100億~120億ドルとの見通しを示した。また、ジョン・ローラーCFOは「投下資本利益率を2023年の約14%から数年内に20%とする」と話し、資本効率改善に注力する方針を示した。

フォードの稼ぎ頭はピックアップトラックの「F-150 シリーズ」だ。写真は「F-150Tremor」(2024年モデル)

2023年の新車販売台数は441万3千台で前年比2.1%増だった。このうち、内燃エンジン(ICE)の「フォード・ブルー」は同3%増の292万台、商用車の「フォード・プロ」は同5.8%増の137万7千台と伸ばした。電気自動車の「フォードe」は同20.8%増の11万6千台をマークしたものの、部門赤字は前年よりも拡大し47億100万ドル(6,966億円)となった。主力のトラック「F-150シリーズ」は好調で、なかでもハイブリッドモデルが伸びた。また、フォードクレジットは借り入れコストの上昇で伸び悩んだ。配当は通常15セントに特別18セントを加えた33セントとした。

2024年見通しでは、フォード・ブルーは今年と同水準の収益力を見込み、商用車のフォード・プロが2023年の72億2,200万ドル(1兆701億円)から80億~90億ドル(1兆1,854億~1兆3,336億円)への増益とした。同社では20億ドルのコスト削減を改めて強調し、収益力の向上を加速させたい考えだ。(2024年2月7日)