ステランティスは12日、2026年後半からハンガリーのゼントゴタール工場で電気駆動モジュール(EDM)生産を始める、と発表した。ハンガリー政府からの補助金や拠出金を含む1億300万ユーロ(165億円)を投じる。ゼントゴタール工場は現在、ICE生産を担っており、同工場従業員はEDM生産に必要な機械加工と組み立てをサポートするためのスキルアップ研修を受けることになる、という。
ゼントゴタール工場でのEDM生産は、主要部品の機械加工や電気モーター、減速ギアセット、インバーターを1つのユニットにまとめた「3-in-1 EDM」の最終組み立てとテストを行うもの。同工場は現在、る1.2リッター・ターボチャージャー付き3気筒および1.6リッター・4気筒エンジンを生産しており、従業員はEDM生産に向けての研修を受け、電動化にシフトする計画だ。
ステランティスは2030年までに、欧州での乗用車のバッテリー電気自動車(BEV)販売比率を100%に、米国は乗用車と小型トラックのBEV販売比率を50%にするという「デア・フォワード2030」の目標を掲げている。このため10年間で電動化に500億ユーロ以上を投資し、北米と欧州で約400GWhのバッテリー生産をめざしている。また、将来に向けて既存工場の設備改造にも取り組んでおり、フランスのトレメリー・メッツと米国インディアナ州のココモを放電加工機の生産に活用したほか、2024年にはイタリアのミラフィオーリ工場でハイブリッド車向けの次世代電動デュアル・クラッチ・トランスミッション(eDCT)の生産を始める予定だ。(2024年2月13日)