電気自動車(BEV)メーカーのポールスターは28日、9億5千万ドル(1,423億円)の外部資金を確保した、と発表した。BNPパリバなど国際金融機関12行の協調融資で、3年間の融資枠となる。先ごろ、吉利グループの全面的な支援を得ることになったと発表する中、事業資金面でその姿勢を強く示した格好だ。
今回の融資は、BNPパリバのほかナティクシス、スタンダードチャータード、BBVA、HSBC、SPDBなど大手12行が協調した。先ごろ、ボルボ・カーズから同社株を事実上譲り受けると発表したジーリー・スウェーデン・ホールディングスも「必要に応じて将来の資金調達活動に参加する」意向を示した。これにより、ポールスターは新型SUV2車種のグローバル展開など事業を推進し、「下半期には販売台数と利益率の大幅な改善が見込まれる」とした。
新たに15%の人員削減も実施へ
ポールスターのトーマス・インゲンラスCEOは、「世界的な銀行のシンジケート団からの資金調達は、ポールスターの成長路線に対するパートナーの支援を反映したものだ。吉利汽車の全面的な財務支援と革新的な技術とエンジニアリングの専門知識へのアクセスとともに、2025年を目標とするキャッシュフロー・ブレイクイーブンへの道を強化した」と述べた。また、ジーリーグループのダニエル・リーCEOは、「ポールスターの戦略的パートナーであり直接の株主である吉利は、ポールスターに対し今後も運営面および財務面で全面的な支援を提供していく」と話した。
事業計画を強力に推進
資金調達の成立で、ポールスターによる効率化プログラムが加速する。2023年半ばから行われている人員の10%削減についで、今年はさらに15%削減する予定だ。これにより、ポールスターは2025年にはキャッシュフローの収支均衡と同時に、年販15万5千台以上と10%台後半の粗利益率の達成に向け踏み出す。また、新たにSUV2車種を投入し品揃えを拡充する。「ポールスター4」の世界販売に加えて、「ポールスター3」の中国と米国での生産体制も整いつつある。さらに、パフォーマンスGTとする「ポールスター5」のプロトタイプ生産も2024年中に始める計画だ。(2024年2月29日)