ステランティスは13日、米ミシガン州オーバーンヒルズで同社初となる「投資家デー」を開催し、カルロス・タバレスCEOは9つに及ぶ主要戦略と同社の競争力を説明するとともに、今年の業績見通しを発表した。14ものブランドによる幅広し商品ポートフォリオとともに、世界で異なる各国市場に合わせた取り組みが同社の強みになると指摘した。上半期の営業利益率は10~11%を見込み、今年のキャピタルリターンは自社株買いを含め77億ユーロ(1兆3,018億円)規模と言及した。
上半期理業利益率は10~11%見込み
同社が掲げた他社と差別化できる主な事業戦略要因を9つ掲げた。①あらゆる価格帯と複数の地域市場をカバーする14の象徴的で革新的なブランドのポートフォリオ②拡大した北米と拡大したヨーロッパ地域と急速に拡大する第3エンジンを組み合わせたグローバル市場での存在感③製品、プラットフォーム、製造、サプライチェーンにまたがる独自のマルチエネルギーアプローチ④「Pro One」商用車事業をフルスケール化し、10代半ばから後半の収益性を誇り、グローバルリーダーシップを獲得できる位置にある⑤サイクル全体で2桁の利益率を達成し、損益分岐点は50%以下⑥持続可能な研究開発/設備投資の効率性、強力な資本計画の重要な要素⑦2023年に中国のEVスタートアップブランドトップ3にランクインする「リープモーター」とのアセットライト中国戦略の再設定と再出発⑧グローバル展開を活用し、ベストコスト国の機会を最大化⑨次世代ポートフォリオとアクリーティブアフィリエイト事業の迅速な展開ー。
地域市場に合わせた戦略など9つの強みを説明
タバレスCEOは「ステランティスのグローバルプレゼンス、強力なテクノロジー、ブランドポートフォリオは、四輪車から高級車までさまざまな製品にまたがっている」と述べ、「世界中の消費者が求めているのは、クリーンで安全、そして手頃な価格のモビリティだ」と市場特性に応じた商品と事業戦略を展開することができる企業とアピールした。
北米事業の責任者、カルロス・ザレンガCOOは、市場シェアの回復、在庫状況の改善、中期的な低排出ガス車の成長機会を活用するために取られた取り組みを説明した。欧州担当のウェ・ホシュゲシュルツCOOは中国メーカーとの競争激化に対する同社の多面的な対応を振り返り、中東・アフリカ(MEA)担当のサミール・チャーファンCOOは、ステランティスの「第3のエンジン」の傑出した成長と収益性を支え、中東・アフリカ地域にサービスを提供するためのローカライズされたアプローチがもたらす多くのメリットについて語った。
ブランド別でも、ジープのアントニオ・フィロサCEOやラムのクリス・フォイエルCEO、プジョーのリンダ・ジャクソンCEOも登壇。また、ネッド・キュリックCTOなど各事業領域の責任者も事業内容を説明した。
財務担当のナタリー・ナイトCFOは、2024年の財務レビューし、「世代交代型の製品移行を実行しながら在庫を最適化するなど、短期的な課題に断固として対応している」と述べながら、「世界最高のOEMの中で2ケタの収益性を達成し、株主に並外れた資本利益を提供し続けることができると確信している」と強調した。(2024年6月13日)