ゼネラル・モーターズ(GM)は2日、LGエナジー・ソリューションとバッテリー技術提携を拡大し、積載効率の高いプリズム(角)型セル開発に取り組むと発表した。また、LGエナジー・ソリューションとの合弁でミシガン州ランシングに建設中のバッテリー事業会社「アルティウム・セルズ」の株式を、LG側に売却することで合意した。
LG主導で角型セル開発を加速
GMは、LG側と電気自動車(EV)向けのバッテリーで角型セル開発を推し進める。平らな長方形の形状を持つ角型セルは、堅牢なのに加えて電池モジュールやパック内のスペース効率の高いパッケージング性能の高さが特長で、モジュールや機械部品の数を減らすことで製造工程の簡素化と同時に、EVの重量とコスト削減がメリットとなる。一方、GM ではEV需要の高まりに対応するため、パウチ型電池セルを生産するオハイオ州ウォーレンとテネシー州スプリングヒルにあるアルティウム・セル工場も引き続き稼働させる。
EVコスト競争力に自信
GMのバッテリーセル・パック担当であるカート・ケルティ副社長は「LGエナジー・ソリューション社との協力により、当社は北米最大のバッテリーセルメーカーの一つであるアルティウム・セルズを構築し、米国で数千人の雇用も創出している」と述べた。
同時に、GMはLGエナジー・ソリューションにランシング工場分のアルティウム・セルズ株を売却することで合意した。2025年第1四半期に完了予定。GMは「GMのアルティウム・セルズの所有権に変更はない」という。また、引き続きオハイオ州ウォーレンとテネシー州スプリングヒルと、建設中のランシングの3拠点体制により、年間50GWhと見込まれる生産能力を整える意向だ。
GMのポール・ジェイコブソン副社長兼最高財務責任者は「LGエナジー・ソリューション社と提携した米国でのバッテリーセル製造は、当社のEVの収益性を急速に改善している」と話し、競合他社とEV向けバッテリー生産体制での競争力の優位性を強調した。(2024年12月3日)