
現代自動車は18日、ニューヨークで初開催した「CEOインベスターデー」で2030年に向けた中長期戦略を公表した。2026~30年にかけて総額77.3兆ウォン(約7.7兆円)を投資し、研究開発・設備投資・戦略投資を通じて収益基盤の強化と電動化の加速を図る。世界販売目標は年間555万台と据え置き、そのうち電動車を全体の6割となる330万台に拡大する方針を打ち出した。
電動化とソフトウェア革新を加速
2025年の売上成長率見通しは従来より2ポイント引き上げ、5~6%とした。一方、営業利益率は米トランプ関税の影響を踏まえ6~7%に修正。中期的には2027年に7~8%、2030年に8~9%の営業利益率をめざす。投資内訳は研究開発30.9兆ウォン、設備投資38.3兆ウォン、戦略投資8.1兆ウォン。米国では1,530億ウォンを投じ生産能力拡張とロボティクス基盤の構築を進め、現地生産比率を高める。これにより米国市場でのコスト効率改善と利益率向上を図る。株主還元では2025~27年の総還元性向を35%超とし、配当と自社株買いを柔軟に組み合わせる。配当は1株当たり最低1万ウォンを保証する方針を示した。
同社は2030年に世界販売台数555万台を維持し、そのうち電動車330万台を見込む。高級ブランド「ジェネシス」は年35万台販売を目標に、全モデルで電動化を進める。米国、インド、中国を中心に地域特化型EVを投入し、市場シェア拡大を狙う。電動車比率を全体の6割に高め、ハイブリッド車は18モデル以上へ拡充する。欧州市場には「IONIQ 3」、インドには現地設計の初EV、中国ではSUV「Elexio」とセダンを投入。さらに2027年以降、航続960km超の拡張型レンジEV(EREV)を展開し、電動化移行期の需要を取り込む。
米ジョージア工場で3千人雇用を強調
米ジョージア州のメタプラントでは2028年までに年50万台規模の能力を確保し、3,000人の雇用を創出する。世界全体では120万台の増産を計画。先端ロボティクスやデジタルシミュレーションを活用した「ソフトウェア定義型工場」を導入し、生産効率を高める。
バッテリー分野では27年までにコスト3割削減、充電時間15%短縮を目標とする。26年にはクラウド型BMSを導入し安全性を強化。車載ソフトでは独自OS「Pleos」を軸に、OTA更新やAI活用サービスを拡大する。
ムニョスCEOは「変化を主導し、未来のモビリティ企業を築く」と述べ、電動化とソフトウェアを両輪とする成長路線を鮮明にした。(2025年9月18日)