
日産自動車のイバン・エスピノサCEOと三菱自動車の加藤隆雄CEOが初めて「アンペール」のドゥエ工場を16日訪問し、ルノー・グループ新CEOのフランソワ・プロヴォとジャン=ドミニク・スナール会長とともに、アライアンス・ボードを開催した。欧州市場向け電気自動車(EV)の投入加速を掲げ、提携会社アンペール(Ampere)との協力を改めて強調した。
欧州向けEVの投入
日産と三菱は、信頼するパートナーとしてアンペールを選定。両社の最新EVは、アンペールの新世代プラットフォーム「AmpR Small」「AmpR Medium」を用い、それぞれ日産「マイクラ」、三菱「エクリプス クロス」として生産される。両モデルはドゥエ工場で組み立てられ、2025年末に発売予定。特にエクリプス クロスは、三菱ブランド初の欧州向けフルEV SUVであり、仏国内で生産される初の三菱車となる。
同工場はEV専用生産拠点へと大きく改修され、総額5億5,000万ユーロを投じて2種類のモジュラープラットフォームに対応可能な柔軟な生産ラインを整備した。バッテリー組立工房も新設され、2023年からは生産を100%EVに転換。2023年の生産台数は5万729台、24年には8万9,527台に拡大している。
現在、同工場ではルノー「メガーヌE-Tech」「スキャニックE-Tech」「R5 E-Tech」、アルピーヌ「A290」、日産「マイクラ」、三菱「エクリプス クロス」の計6モデルを4ブランドで生産。高い柔軟性とブランド特性への対応力を示している。
アライアンスは共同開発と地域戦略への注力を通じ、持続可能なモビリティ転換を推進。ドゥエ工場を欧州における産業競争力の象徴として位置づけており、今後の欧州EV市場における展開拡大の基盤とする考えだ。(2025年9月18日)