
中国の自動車大手、一汽(FAW)グループと独フォルクスワーゲンの合弁会社「一汽-フォルクスワーゲン(FAW-VW)」は10月30日、累計生産・販売台数が3,000万台に達した、と発表した。中国の乗用車メーカーとして生産台数が3,000万台となったのは同社が初となる。3,000万台目は「アウディA5Lナビゲーション版」で、吉林省にある長春工場で生産し、同日そのラインオフを祝った。
中国自動車産業としての金字塔祝う
式典には吉林省や中央政府の幹部、業界団体、フォルクスワーゲングループの幹部が出席。吉林省の張恩恵・長春市委書記は、「3,000万台達成は中国自動車産業の高品質発展と対外開放の新たなマイルストーンだ」と強調。中国汽車工業協会の付炳鋒常務副会長も「開放協力こそ産業進歩の必然」と述べ、同社の成果を称えた。また、中国一汽の邱現東董事長は「今年は中欧国交樹立50周年。一汽-大衆の成果は中国の市場開放と中独協力の深化を象徴する」と語った。フォルクスワーゲンのオボーム取締役会議長もビデオで祝辞を寄せ、「両社の協力はスマート化と持続可能なモビリティの新時代へ進む」と話した。
一汽-フォルクスワーゲンの3千万台生産・販売を、「中国自動車産業の成熟と国際協力深化の象徴」と位置づけるとともに、中国政府が掲げる「高水準の対外開放」と「高品質発展」の両輪を体現した、また中国とドイツのパートナーシップが今も強いとアピールした。
「五大リード」戦略を推進 5年間で約30車種投入
一汽-フォルクスワーゲンの陳彬総経理は、電動化と知能化を加速させる「二高一新」(高付加価値・高効率・新エネルギー)および「五大领先」戦略を発表。今後5年間で約30車種を投入し、そのうち20車種超を新エネルギー車とする。年間100億元規模の研究開発投資を継続し、自動運転・ソフトウェア分野の強化を図る方針を示した。
節目に合わせて「創・享の道」企業文化3.0を打ち出し、「FAW-Volkswagen、共に卓越する」を新たなスローガンに掲げた。顧客への感謝を示すため、同社は累計100台の新車を贈呈するキャンペーンを実施を発表した。(2025年11月1日)