• 2025-11-04

グッドイヤー、化学事業売却で負債削減へ ―通期15億ドル効果を見込み、第4四半期の利益拡大に意欲

米タイヤ大手グッドイヤーは3日、2025年第3四半期(7~9月)決算を発表した。通期ではコスト削減・収益改善策「Goodyear Forward」により年間15億ドル(2,200億円)規模の規模の効果を見込んでおり、第4四半期にかけて利益拡大を見込む。マーク・スチュワートCEOは「製品力と実行力が持続的な利益成長を支える」と述べた。

売上高は46億ドル(6,808億円)で前年同期比ほぼ横ばい。最終損益は22億ドル(3,256億円)の赤字と前年同期の3,700万ドル(54億円)から大幅に悪化した。調整後純利益は8,200万ドルで前年同期比19.6%減、1株当たり利益は0.28ドルと22.2%減。セグメント営業利益は2億8,700万ドルで前年同期比17.1%減だった。

同社の構造改革「Goodyear Forward」は第3四半期に1億8,500万ドル(273億円)の利益押し上げ効果をもたらし、通期で15億ドルの効果を見込む。スチュワートCEOは「世界的な貿易混乱の中でも前四半期比で利益を伸ばした」と説明。10月末には化学事業を6億5,000万ドル(962億円)で売却し、純現金収入約5億8,000万ドル(858億円)を確保した。これに先立ち、オフロードタイヤ(OTR)事業と「ダンロップ」ブランドを売却済みで、総額約22億ドル(3,256億円)を負債削減に充当する。

地域別では、米州の売上高が27億ドルで前年同期比4.2%減、営業利益は2億600万ドル(304億円)で17.9%減。欧州・中東・アフリカ(EMEA)は売上高14億ドルで4.4%増、営業利益3,000万ドル(44億円)で30.4%増と堅調。一方、アジア太平洋はOTR事業売却の影響で売上高5億ドル(740億円)と18.9%減、営業利益5,100万ドル(75億円)と29.2%減と低迷した。

1~9月期では売上高134億ドル(前年同期比1.2%減、1兆9,832億円)、純損失18億ドル(2,664億円、前年2,700万ドルから拡大)。調整後純利益は2,300万ドル(34億円)で前年同期比86%減。同社は「Goodyear Forward」によるコスト構造改革と負債削減を進め、2026年の黒字化を目指す方針を示した。(2025年11月4日)