
アウディは24日、米ディズニーの動画配信サービス「Disney+」を車載アプリとして提供開始した、と発表した。自社のアプリストア「Audi Application Store」から直接インストールでき、車内ディスプレイでのストリーミング視聴が可能になる。電動化と並行して進む車載ソフトの高機能化を背景に、同社はエンターテインメント領域での付加価値創出を一段と強める。
世界43市場で同時展開、A6 e-tronやQ6 e-tronなど最新モデルに対応
Disney+は欧州、アジア、北米など43の市場で提供され、A5、Q5、A6、A6 e-tron、Q6 e-tronといった最新モデルで利用できる。アプリはVWグループのソフトウェア会社CARIADが共同開発し、MMI(マルチ・メディア・インターフェイス)に直接統合。スマートフォン不要で、myAudiアカウントとデータ接続だけで利用できるという。駐車時は中央MMIで、走行時は助手席ディスプレイで視聴が可能。「Star Wars」や「Marvel」、「Disney」作品に加え、過去の『TRON』シリーズも配信され、車内の滞在価値を高める狙いがある。
新作『TRON: Ares』にアウディ車が登場 ブランド露出を強化
車内だけでなくスクリーンでもアウディの存在感も高めたい考えだ。劇場公開中の『TRON: Ares』にはQ8 e-tronと、1980年代のラリーカーに着想を得た「Audi Quattro Rally」が登場。自動車業界ではコネクテッド領域の競争が激化し、ストリーミングやゲームなど“車内時間”の価値創出が重要テーマとなっている。アウディは「没入型エンターテインメント体験」を掲げ、内装デジタル化と連動したサービス拡充を進める。同社は「技術とストーリーテリングの融合が、ブランド体験を次のステージへ押し上げる」としており、電動化後の差別化要素としてデジタルサービスを前面に打ち出す構えだ。(2025年11月27日)