• 2025-12-19

トヨタ、米国生産の主力3車種を日本導入へ

トヨタ自動車は19日、米国で生産している「カムリ」「ハイランダー」「タンドラ」の3車種を、2026年から順次、日本市場に導入する、と発表した。トランプ政権が日米の自動車貿易の不均衡を指摘する中、米国生産車の3車種を日本で発売することで、品薄が続く日本市場での商品ラインアップの拡充を図るとともに、日米貿易関係の強化にもつなげたい考えだ。

導入にあたっては、日米交渉を踏まえ国土交通省が検討を進めている新制度の活用も視野に入れ、米国仕様車の日本市場投入を進める。

日本に逆輸入する「カムリ」は、トヨタのいう洗練されたデザインと快適性、燃費性能を兼ね備えたミッドサイズセダンとして、米国で長年トップセラーを誇る中軸モデル。日本では2023年に販売を終了していたが、再導入によりセダン市場での存在感を高める狙いだ。「ハイランダー」は3列シートを備えたSUVで、広い室内空間と走破性を特徴とする。日本では2007年に「クルーガー」としての販売を終えており、今回が事実上の再投入となる。

一方、「タンドラ」は高い牽引性能と耐久性を備えたフルサイズのピックアップトラックで、米国のライフスタイルを象徴するモデルだ。アウトドア志向の高まりや消費者の価値観の多様化を背景に、日本市場でも一定の需要を見込む。生産拠点はいずれも米国内で、カムリはケンタッキー工場、ハイランダーはインディアナ工場、タンドラはテキサス工場で生産されている。

トヨタはこれまでも海外生産車を日本に導入する「逆輸入」に取り組んできた。米国生産のSUV「ヴェンザ」や、欧州生産モデルの導入などが代表例で、国内市場の成熟を踏まえた商品戦略として位置付けてきた。今回の3車種導入も、その流れを拡張する動きといえる。

トヨタは、2026年からの順次導入に向け、制度対応や商品仕様の検討を進め、日本市場に新たな選択肢を提供する方針だ。(2025年12月19日)