
米電気自動車(EV)大手テスラが28日発表した2025年10~12月期(第4四半期)および2025年通期決算は、主力の自動車事業が減速する一方、エネルギー貯蔵やAI関連事業が収益を下支えする構図が鮮明となった。通期売上高は前年比3%減の948億ドル(14兆8,580億円)、営業利益は38%減の43億ドル(6,740億円)と大幅な減益となった。
自動車販売9%減の163万台、売上高は10%減の695億ドル
自動車売上高は695億ドル(10兆9,552億円)と10%減少。年間の世界販売台数は163万台と9%減り、価格競争の激化や需要の伸び悩みが響いた。一方で、車両粗利益率は規制クレジットを除いても改善し、第4四半期の全社粗利益率は20.1%と前年同期から3.9ポイント上昇した。アジア太平洋地域では四半期として過去最高の販売を記録し、地域間で明暗が分かれた。
成長エンジンとして存在感を高めたのがエネルギー事業。2025年通期のエネルギー発電・貯蔵関連売上高は128億ドル(2兆61億円)と27%増加し、粗利益も四半期ベースで過去最高を更新した。大型蓄電池「メガパック」の出荷増が寄与し、2026年にはテキサス州で次世代製品「メガパック3」の量産開始を予定する。
また、AIとロボティクス分野への投資も加速している。人型ロボット「オプティマス」は2026年後半の量産開始を視野に入れ、年間100万台規模の生産能力構築を目指す。AI学習用計算基盤ではテキサス州で新施設「Cortex 2」を建設中で、2026年前半に計算能力を倍増させる計画だ。
CFは維持し、現金は21%増
財務面では、営業キャッシュフローが147億ドル(2兆3,039億円)と前年並みを維持し、現金・投資残高は440億ドル(6,896億円)と21%増加した。設備投資を抑制しつつも、自由キャッシュフローは74%増の62億ドル(9,717億円)を確保した。
テスラは見通しについて、「工場稼働率の最大化と健全なバランスシート維持を最優先する」とした上で、「将来的には車両ハードウエアに加え、AI、ソフトウエア、フリート運営による利益の加速を見込む」と強調した。2026年には自動運転向け「サイバーキャブ」、大型トラック「セミ」、新型蓄電池の量産を控えており、EVメーカーから総合テクノロジー企業への転換が次の成長の試金石となる。(2026年1月29日)