
ポルシェは2日、電動SUV「カイエン・エレクトリック」の量産をスロバキア・ブラチスラバ工場で開始したと発表した。内燃機関車やハイブリッド車と同一ラインで生産する柔軟体制を構築するとともに、電池モジュールの自社開発・生産を進め、電動化時代の競争力強化を狙う。
同車は昨年11月に世界初公開されたポルシェ初のフル電動カイエン。最大850kW(約1,156馬力)の高出力仕様を設定するなど、同社量産車で最高性能を誇る。バッテリー容量は113kWhで、航続距離は600km超。最大400kW級の急速充電にも対応する。電池モジュールは、ブラチスラバ近郊ホルナー・ストレダに新設した「ポルシェ・スマート・バッテリー・ショップ」で生産する。セル加工から溶接、冷却プレート統合、最終検査まで一貫管理する体制を整え、品質・性能・供給安定性の確保を図る。電池技術の内製化は、EVシフトの進展を踏まえた中核戦略の一つと位置づけている。
電池内製化でEV競争力強化、柔軟生産体制も構築

同社は、フォルクスワーゲングループのマルチブランド工場を拡張し、新プラットフォームホールを設置。EV、ハイブリッド、内燃機関車の異なるパワートレーンを同一ラインで製造できる混流生産体制を整え、市場需要の変動に迅速に対応したい考えだ。ポルシェ本社スタッフが常駐し技術的課題に即材に対応する「レジデントモデル」も導入し、品質管理と立ち上げ対応を強化した。
高級車市場ではEV化と性能競争が同時に進んでおり、ポルシェは電池技術の自社掌握と柔軟生産の両輪で、収益性を維持しながら電動化を加速させる構えだ。(2026年2月8日)