• 2026-07-15

ポルシェ、世界販売16%減の12万台 中国32%減、911は19%増

2026年上半期(1~6月)の、ポルシェの販売台数が前年同期比16%減の12万2306台だった。主力市場の中国が32%減と大幅に落ち込んだほか、米国での電気自動車(EV)とハイブリッド車に対する税制優遇措置の終了、内燃機関を搭載した「718」の生産終了などが響いた。一方、主力スポーツカー「911」は19%増と好調を維持し、高価格帯モデルへの需要の底堅さを示した。

9日発表。最大市場の北米は13%減の3万7,712台だった。米国でEVとハイブリッド車への税制優遇措置が終了したことに加え、内燃機関モデルの718が生産を終了したことが影響した。中国は32%減の1万4,501台と、主要地域で最大の落ち込みとなった。厳しい市場環境が続くなか、ポルシェは販売台数を追うのではなく、採算性やブランド価値を重視する「価値志向の販売戦略」を継続している。ドイツ国内は6%減の1万4,938台、ドイツを除く欧州は14%減の3万278台だった。海外・新興市場も18%減の2万4,877台となり、中東情勢の悪化などが影響した。

世界全体では前年同期の14万6,391台から12万2,306台へ減少した。販売・マーケティング担当取締役のマティアス・ベッカー氏は「前年同期を下回ったものの、われわれの予想に沿った水準だ」としている。

車種別では、大型SUV「カイエン」が9%減の3万8,141台で最多となった。新型EV「カイエン・エレクトリック」は6月末から顧客への納車を開始している。「911」は19%増の3万534台と大幅に伸びた。前年に各派生モデルを段階的に投入した効果に加え、GTS、ターボ、GTといった高性能・高価格モデルへの需要が販売を支えた。

「マカン」は22%減の3万5,315台。このうち内燃機関モデルが1万9,695台、EVモデル「マカン・エレクトリック」が1万5,620台だった。内燃機関モデルはEU域外の多くの市場でEVと並行販売しているが、生産は2026年7月末に終了する予定だ。ポルシェはマカンの販売減少について、EV市場の立ち上がりが想定より遅れていることや、前年の販売実績が高水準だったこと、米国でEVとハイブリッド車への税制優遇措置が終了したことなどを理由に挙げた。

「パナメーラ」は38%減の9,308台だった。主要市場の一つである中国で一時的な商品ラインアップの空白が生じたことが響いた。4月には中国市場専用の「パナメーラ・ピュア」を投入し、商品ラインアップを補強した。「718ボクスター」と「718ケイマン」は73%減の2,789台。718シリーズは2025年10月に生産を終了しており、販売台数が急減した。「タイカン」も25%減の6,219台にとどまった。

上半期の販売減少は、単純な需要低迷だけでなく、内燃機関モデルの生産終了やEVへの商品移行が重なった結果でもある。ただ、EV市場の成長が当初の想定を下回るなか、既存の内燃機関モデルを終了する一方で、EVへの移行を進める難しさも浮き彫りになった。ポルシェは顧客需要に合わせて商品構成を見直し、モデルポートフォリオを一段と明確化する方針。2026年秋に開催する資本市場説明会で、長期戦略「Strategy 2035」の詳細を発表する予定だ。

世界販売が2桁減となるなかでも「911」が19%増を記録したことは、ポルシェのブランド力の強さを示す。一方、中国市場の大幅な落ち込みとEV販売の減速は、同社の成長戦略にとって大きな課題となっている。今後は、販売台数を追わずブランド価値と収益性を守る戦略が、厳しさを増す世界の高級車市場でどこまで成果を上げるかが焦点となる。(2026年7月15日)

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今回の記事では、「世界販売16%減、中国32%減」という厳しさと、「911は19%増」というブランド力の強さの対比が最もニュース性の高いポイントです。見出しもこの対比を生かすことで、ポルシェの現在地が一目で伝わる構成にしています。