• 2026-10-12

ルノー、カングーEVを改良 電池容量52kWh、航続距離最大354kmに

ルノー・カングー・バンとカングーE-Techエレクトリック
カングー・バンとE-Techエレクトリック(ルノー提供)

仏ルノーは9日、小型商用車「カングー・バン」と乗用車「カングー」を改良し発表した。電気自動車(EV)の「E-Techエレクトリック」は電池容量を52kWhに拡大し、航続距離を最大354kmに延ばすとともに、急速充電性能とモーター出力を高める。ガソリン車、ディーゼル車を含む各仕様では、車載マルチメディアシステムも刷新する。改良モデルの価格は今後数週間以内に公表するという。

電池とモーターを刷新、急速充電時間を短縮

EV仕様には、「ルノー5」「ルノー4」のE-Techエレクトリックにも採用する新世代のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)系電池を搭載する。容量は従来の45kWhから52kWhに増やし、車種やボディー仕様に応じて最大354kmの航続距離を確保する。航続距離はWLTP基準による値で、認証取得前の段階にある。

直流(DC)急速充電の最大受け入れ出力は80kWから100kWに引き上げる。充電残量15%から80%までの所要時間は、従来の40分から30分に短縮。30分間の充電で回復できる航続距離は、従来の最大179kmから最大240kmに増える。

交流(AC)充電は、モデルに応じて11kWと22kWに対応する。残量15%から80%までの充電時間は、11kWで3時間30分、22kWで1時間45分。空調の電力消費を抑えるヒートポンプも引き続き搭載する。

駆動用モーターは、最高出力100kW、最大トルク270Nmと、115kW、300Nmの2種類を用意する。従来の90kW、245Nmから出力とトルクを高め、加速や追い越し時の応答性を改善する。115kW仕様には、満載時などに使う高性能走行モードも設定する。

回生ブレーキの強さは従来の3段階から4段階に増やし、ステアリングのパドルで切り替えられるようにする。変速操作部はダッシュボード上の小型電子式セレクターに変更し、センターコンソールの空間を広げる。停車時にブレーキを保持するオートホールド機能も備える。

充電計画や外部給電に対応

EV仕様では、充電を考慮した経路を案内する「EVルートプランナー」と、充電前に電池の温度を調整するプレコンディショニング機能を追加する。電池の温度調整は、車載システムでの経路設定に連動して自動で作動するほか、運転者が手動で起動することもできるとしている全パワートレイン仕様で、中央のタッチスクリーンを従来の8インチから10インチに大型化する。新たな「OpenR Link」システムは表示品質を改善し、応答速度を従来の2倍に高めたという。

車両・主要EV部品をフランスで生産

カングー・バンとカングーは、全長4.49mと4.91mの2種類を展開する。商用仕様はパネルバン、乗員と荷物を運ぶクルーバン、架装向けのプラットフォームキャブなどを設定し、乗用仕様は構成に応じて最大7人乗りを用意する。ガソリン、ディーゼル、EVの各パワートレインを、モデルに応じて用意する。車両は、1997年の初代発売以来、生産を担うフランス北部のモブージュ工場で組み立てる。改良EVの電池はドゥエ、モーターはクレオン、足回りのモジュールはルマンで生産し、フランス国内の各拠点で主要部品を供給する計画だ。

(2026年10月11日)