ルノーは14日、小型商用バン「トラフィック」にEVモデルの「E-テック・エレクトリック」を年内にも発売する、と発表した。これにより、ルノーは小型商用車クラスでEVのラインアップを完成したという。
「新型トラフィック・バンE-テック・エレクトリック」の全長と全高は2タイプあり、長さは5.08メートルと5.48メートル、高さは1.967メートルと2.498メートル。これにより、積載スペースは5.8立方メートルから8.9立方メートルまでとなっている。キャブの収納スペースは最大88リットル。電動性能は、52 kWhのバッテリーを搭載し航続距離は最大297 kmを実現した。バッテリーには8年または16万kmを保証し、保証期間中バッテリーの健康状態が公称値の70%を下回った場合は無料で交換する。また、車両のパワーを制限するエコ・モードが最適な航続距離を確保し、時速90kmに制限された「ロング・レンジ」バージョンでは航続距離が322kmとなる。
ルノー「トラフィック」は、1980年の発売以来240万人以上の商用ユースに応えてきた、いわゆるLCVクラスでのベストセラーカー。新型ルノー・カングーバンE-Tech electricおよびマスターE-Tech electricも同クラスのルノーのラインナップで、EV化が整った格好だ。
新型トラフィック・バンEテック・エレクトリックの充電器は3種類から選ぶことができ、家庭用コンセントに対応する単相7kW AC充電器と公共ステーション用の22 kW AC急速充電器、さらに来年には50kWのDC急速充電器を発売する予定だ。MyRenaultスマートフォンアプリまたはRenault Easy Linkマルチメディアシステムを介して、新型トラフィックバンE-Tech electricは、定期的なバッテリー充電と遠隔でのバッテリー状態のモニタリングやルート上の充電ポイント照会、バッテリー残量で到達可能な目的地リスト情報などを提供する。
10月から受注を開始し、11月から納車を予定している。同車はフランスにあるサンドゥヴィルの工場で生産する。ルノーはこれまでに、同工場に2億3,000万ユーロを投資しており、LCV生産体制を拡充している。また、モーターと充電器はノルマンディーのクレオンにあるルノー工場で生産し、バッテリーはフラン工場で組み立てられ、グレッツ・アルマンヴィリエ工場が車両の電動化を担当している。