VWは19日朝、記者発表の前にヴォルフスブルク工場で従業員向けに「新型ティグアン」発表会を開催した。同工場がティグアン発祥の地であり、「ワールドプレミアに先駆けて新型ティグアンをVWチームに披露することは、私たちにとって最優先事項」(トーマス・シェーファー乗用車部門CEO)ことから、記者発表前に社員に披露することで新型車での成功に弾みをつける狙いだ。
新型車を正式発表の前に社員向けに披露するのは異例。ティグアン発祥の地でもある「ヴォルフスブルク工場」の従業員ミーティングでシェーファー乗用車部門CEOらも参加し新型車が披露され、約1万人の従業員がその本格生産を前に気勢を上げた。ダニエラ・カヴァッロ従業員代表委員会委員長は、「従業員のために、従業員とともにワールドプレミアを開催するというアイデアは、従業員評議会から生まれた。新型ティグアンのワールドプレミアをワークスミーティングの中で開催することは、特にここヴォルフスブルクのティグアン発祥の地で働く従業員に対する感謝の気持ちを強く示すものだ」と話した。その後、ライブで正式なワールドプレミアの様子を見守った。
ティグアンはVWの主軸商品のひとつで、 2007年の発売以来計760万台が生産された。2018年からは、VW乗用車だけでなくグループにとってもベストセラーモデル。3世代めとなる新型車は、2023年秋からヴォルフスブルク工場から出荷され、2024年第1四半期に市場に登場する予定だ。
新型ティグアンは、モジュール式横置きの「MQB evo」をベースにしている。EVモードで約100km走行できる新しいハイブリッド・パワートレインを採用したほか、eハイブリッド・バージョンでAC充電が高速化されるとともにDC急速充電も初めて標準装備した。さらに、高級モデルの「トゥアレグ」から派生したフロントシートの空気圧マッサージ機能や「IQ.LIGHT – HDマトリックスヘッドライト」などを装備する。新開発のアダプティブ・シャシー “DCC Pro “により、快適でダイナミクスを走りを実現したという。VWのイメルダ・ラベ販売担当取締役は、「ティグアンは、多くの市場でコンパクト SUV セグメントのベストセラーモデルのひとつ」と話し、同社にとって最も重要な商品との位置づけを説明した。