VWは29日、監査役会に2028年までのドイツ国内での生産計画を説明し、発表した。ヴォルフスブルクの本社工場では「ID.3」に加えて新たなBEV生産を計画。パフォーマンスプログラム「ACCELERATE forward|Road to 6.5」を推進し、ヴォルフスブルク・ヴァルメナウへの新たな生産設備の導入は見送る方針を示した。すでに導入を決めている新世代のEVプラットフォーム「SSP(スケーラブル・システム・プラットフォーム)」でのBEV生産を本社工場に統合していく方針も示した。
VWグループ経営陣は監査役会に対し、2028 年までのフォルクスワーゲン ブランドの車両割り当て計画を説明した。収益性の高い生産能力の活用と効率的な車両配分と生産性の向上をめざすとし、今年6月に発表したグループの新たな事業指針に対応するのに重点を置いた。トーマス・シェーファーCEOは「VWは複雑な課題に直面している。我々のパフォーマンスプログラムの中で、今回新たに承認された車両配分計画は、強力で競争力のあるVWブランドに大きく貢献するものだ」と述べた。ダニエラ・カヴァッロ従業員代表委員会委員長は、「VW国内工場の可能な限りの経済的活用と従業員の明確な見通しを両立させる確かな解決策を見出すために協力していく」と歓迎するコメントを寄せた。
EVセダン「トリニティ」はツヴィッカウ工場に移管
具体的な生産計画では、ヴォルフスブルクの本社工場では「ID.3」についで2番目のBEVとして、2026年からAセグメントの量販モデルを生産する計画だ。「ゴルフ」と「新型ティグアン」の生産で、同工場の稼働率もを維持しながら、2025年からは「ティグアン・オールスペース」の後継モデルの生産も開始する予定だ。一方、新世代EVプラットフォームのSSPを導入し、本社工場でのEV生産体制を拡充する。当初ヴォルフスブルク本社工場で計画していた次世代EVセダン「トリニティ」の生産は、南部・ザクセンにある欧州最大のEV工場「ツヴィッカウ工場」に移管する。オスナブリュック工場は、「アルテオン」と「T-Rocコンバーチブル」の生産に加え、グループのポルシェ車生産も継続する予定だ。