欧州自動車工業会(ACEA)は24日、欧州議会の環境委員会(ENVI)が23日に採択したトラック・バスのCO2規制の厳格化に「現実には達成不可能」との懸念を表明した。車両単体への規制ではなく、輸送システム全体への幅広い働きかけが不可欠との考えを議会関係者に示し改善を求めた。
ACEAのジグリッド・デ・フリーズ事務局長は「大型輸送の脱炭素化は、単独で取り組むものではない」としたうえで、課題は充電・充填インフラの不足にとどまらずその他の需要サイドの対策にも取り組む必要がある」と指摘した。電気や水素を動力源とするトラックやバスに対する需要は未成熟とし、ゼロ・エミッション車の購入制度や税制などの整備が必要と訴えた。同時に、ユーロ7で乗用車と大型車の垣根をなくした規制案としてことに加えて今回の採択で「小型貨物車が含まれたことを残念に思う」と述べた。
ACEAは、トラックとバスのための実態に即した規制であるべきとの見解で、今後の欧州本会議での採決までにその修正などの対応を求めた。