メルセデス・ベンツ・グループ AGは10月26日、2023年第3・四半期(7~9月、Q3)の業績を発表した。中国市場などでの乗用車販売の伸び悩みが売り上げ減につながり、同時にコスト高や3億2900万ユーロ(523億円)におよぶ為替差損が影響し、減収減益を強いられた。高い伸び率を示すBEVを含め、価格競争の激化も反映した格好だ。
Q3の売上高は372億ユーロ(5兆9096億円)で、前年同期に比べ1.4%減少した。税引き前利益は同6.8%減の48億4200万ユーロ(7692億円)だった。乗用車販売が同3.7%減の51万564台にとどまったのが響いた。「Eクラス」のモデルチェンジと同時に、「GLC」のタマ響いた。一方、「Sクラス」は好調で中国で9%増、米国では48%増となり、高価格モデルがけん引した一方で、中国市場で販売台数が同12%減の19万5984台にとどまるなど販売量の減少が支えきれなかった。商用のメルセデス・バンは販売増とともに税引き前利益で同43.9%増の7億1500万ユーロ(1135億円)と好調さを示した。また、乗用車のうちBEVは同66.2%増の6万1621台だった。「EQS SUV」が162%と高い引き合いをみせている。
これにより、今年1~9月の売上高は1129億5700万ユーロ(17兆9443億円)となり、前年同期に比べ3.6%増だった。税引き前利益も同1.9%増の153億3400万ユーロ(2兆4360億円)となった。