BMWは10日、ドイツ・ザクセン州のライプツィヒ工場で「 MINI」ブランドの生産を始めた。1日あたり100台を生産し、来年末までに同500台に増産する計画だ。来年からはBEVモデルの生産も始める予定で、ライプツィヒ工場はBMWとMINIの2ブランド、そしてICEとHV、BEVの3つのパワートレーンを同一ラインで生産するほか、電子部品生産を手掛ける次世代工場としてBMWグループの中核を担う。
ラインオフしたのは「MINIカントリーマン」。ライプツィヒ工場の組み立てラインのうち、BMWブランドの1シリーズと2シリーズグランクーペ、2シリーズアクティブツアラーと同じラインで生産する。来年からはMINIカントリーマンのBEVモデルも生産し始める。これにより同一ラインでICEとHV、BEVの3つのパワートレーンを混流生産することになる。
同社は2018年から5年間で7億ユーロ(1120億円、うちMINI向けは2億ユーロ)を投じ生産ラインのフレキシブル化を図ってきた。これにより生産工程をシームレスにし、生産能力も以前の25万台から年間35万台にまで拡大している。生産担当のミラン・ネデルイコヴィッチ取締役は「ここライプツィヒでMINIカントリーマンの生産を開始することで、私たちは柔軟な生産システムにマルチブランド事業を導入することになる」と説明した。
同社では第5世代という高電圧バッテリー生産の組み立てラインを来年から2ライン化する予定だ。また、電子部品の生産能力も増強し、ライプツィヒ工場をBMWグループの電子部品サプライヤーとしての機能を持たせている。今後、同分野でもライプツィヒでの生産体制を強化していく方針と話す。
ラインオフと合わせて、このMINI初の「メイド・イン・ドイツ」を祝うイベントも開催された。生産担当のミラン・ネデルイコヴィッチ取締役のほかザクセン州のミハエル・クレッチマー首相やMINIブランドのトップであるシュテファニー・ヴルスト氏、クレメンス・シュルケ市長など政界やメディアからの様々なゲストと工場スタッフが出席し祝った。