イベコグループは23日、電気自動車(BEV)用リチウムイオン電池のリサイクルで化学大手のBASF社と契約した、と発表した。BASFはドイツのシュヴァルツハイデに電池リサイクルのためのブラックマス生産工場を開設しており、イベコは同拠点を活用し欧州でのBEV用電池リサイクル体制を整備する。
イベコは、EVバンやバス、トラックに使用されているリチウムイオン電池のリサイクル体制を整え、フランスとドイツ、イギリスをはじめとする欧州でのバッテリーの回収や梱包、輸送、リサイクルを一貫して行う。回収した廃バッテリーはBASFの工場で処理され、ブラックマスに熱処理しニッケルやコバルト、リチウムなどの原材料を抽出、新しいバッテリー製造に再利用する。
BASFはドイツのシュヴァルツハイデで年間1万5千㌧の処理能力を持つブラックマス工場を建設、今年初めから稼働する計画だ。使用済み電池を新しい電池用正極材(CAM)にリサイクル生産することで、カーボンフットプリントの削減に寄与したい考えだ。EU理事会は昨年7月に電池規則を採択し、EV用バッテリーもその対象に加えリサイクルを含めサプライチェーン管理が強化されており、イベコはBASFと組んでその対応を図ることになる。(2024年1月23日)