フォルクスワーゲン(VW)は14日、グループディーラーでカーボンニュートラルなど環境施策に取り組む独自認証制度の「goTOzero RETAILプロジェクト」に、ポーランドのイグナシャク・プロスタ社がディーラーとして初めて取得した、と発表した。VWグループは2030年までに2020年比で系列ディーラーのCO2排出量を少なくとも30%削減する方針で、そのための認証制度をスタートさせていた。
「goTOzero RETAIL」プロジェクトは世界150カ国にある、VWの乗用車と商用車、スコダ、セアト、アウディの系列ディーラー約1万7千社を対象に2021年から取り組んでいる。2030年までにCO2排出量を2020年比で少なくとも30%削減することを目標に掲げ、気候変動や資源、環境コンプライアンス、生態系の4つの重点分野で約70の基準を設け評価する仕組みだ。
この第1号にポーランドのイグナシャク・プロスタ社が合格、認証取得した。VWグループ・ポーランドのカーラ・ヴェンツェル社長は「環境保護には、私たち全員が取り組む必要がある。ポーランドのリテールパートナーが、フォルクスワーゲングループの新しいサステナビリティ認証であるgoTOzero RETAILを世界で初めて取得したことは、私たちにとって大きな誇りとなる」と述べた。
同認証制度はVWが自動車ディーラーならではの基準を追加し設けた独自の認証制度だ。「ISO 14001」などの環境マネジメントシステムをベースに、店舗の建物のエネルギー効率などや運営、顧客との交流、販売車両の環境面など、ディーラー固有の評価指標を追加したという。VWグループの系列ディーラーは同認証の取得を希望する場合、ISO14001とISO9001の環境・品質マネジメントシステムの研修を受けるとともにVWの「goTOzero RETAIL認証」のトレーニングも受講した審査員の審査を受ける。授与される認定証はレベルに応じてブロンズからシルバー、ゴールド、プラチナまである。有効期限は3年間で、延長には再審査が必要としている。
VWグループの認証基準の例は次の通り。①環境管理全般:環境方針の存在、管理体制と従業員教育、資源消費と排出の削減目標、エコロジカル・フットプリント削減のための行動計画、再生可能エネルギーの使用または発電②建物、事業運営、不動産 エネルギー消費量削減のための建物・設備の状態、水消費量削減のための対策、廃棄物管理の基準とプロセス、販売店の屋外施設の設計(生物多様性への影響)③顧客との対話: 販売した車両の平均CO2排出量、提供する車種またはディーラー全般に関連する環境トピックに関する顧客との対話ーとしている。(2024年2月15日)