ルノーは14日、2023年業績を発表し、過去最高益となった。売上高は前年比13.1%増の523億7,600万ユーロ(8兆4,393億円)で、営業利益は同13.4%増の24億8,500万ユーロ(4,004億円)だった。地元・欧州での好調な販売が奏功し、なかでも「オーストラル」や「クリオ」「キャプチャー」のハイブリッド車の大幅な伸びが収益増につながった。2024年も積極的な販売攻勢をかけるとともに、生産コストの大幅削減を図る方針だ。同社は好業績を背景に従来の1株0.25ユーロから1.85ユーロに大幅増配することも明らかにした。
2023年の新車販売台数は前年比9%増の223万5千台。欧州でのハイブリッド車販売は同62%増と高伸長だった。グループの営業利益は24億8,500万ユーロとしているが、これは2023年12月に実施した日産自動車株の処分による9億ユーロ(1,450億円)に及ぶキャピタルロスなどの16億3,200万ユーロ(2,629億円)の営業損を含んでいる。自動車部門の売上高は同11.7%増の481億5千万ユーロ(7兆7,584億円)で、同営業利益は同2.1倍の30億5,100万ユーロ(4,916億円)と大きく改善し、過去最高を記録した。これにはアルゼンチンペソなどの為替差損20億6,800万ユーロ(3,332億円)を含んでいる。
同社は2024年の事業見通しとして、ルノーブランドだけで10モデルを発売するほか、「シーニックE-TECHエレクトリック」など電気自動車を投入する。また、「新型ダチア・ダスト」を3月に発売する。一方、インダストリアル・メタバースを活用し内燃エンジンで30%、電気自動車で50%の生産コスト削減を図る計画だ。(2024年2月15日)