メルセデス・ベンツは22日、2023年業績は商用車の好調な販売などから売上高が前年比2.1%増の1,532億1,800万ユーロ(24兆9,730億円)と増えたものの、物価高によるコスト増がかさみ税引き前利益は同3.9%減の196億6千万ユーロ(3兆2,043億円)にとどまった。2024年業績見通しでは、グループ売上高は横ばいで減益になるとの見通しを示すとともに、総販売台数に占める電動車割合を新たな経営指標として採用、乗用車では今年19~21%(2023年実績19.7%)にとどまると見立てた。
2023年は物価高で3.9%減益
新車販売台数は、乗用車が前年比0.2%増の204万4,051台だった。マイバッハ(前年比19%増)やGクラス(同11%増)、AMG(同4%増)の高価格帯販売が大きく伸ばしたものの、モデル末期のEクラスなどが落ち込んだ。このうち電気自動車(BEV)は同61.3%増の24万668台と大きく増え、総販売台数に占める割合も11.8%(前年は7.3%)に達した。商用車販売は同7.8%増の44万7,790台となった。
乗用車の台当たり売上高が1.8万ユーロ減の5.5万ユーロに
これにより、乗用車販売の売上高は同1%増の1,127億5,600万ユーロ(18兆3,781億円)にとどまり、税引き前利益では同12.9%減の142億2,400億ユーロ(2兆3,183億円)へと20億ユーロ以上の落ち込みを見せた。乗用車の台当たり売上高は前年の7.3万ユーロから5.5万ユーロへと大きく下落し、利益(EBIT)も8千ユーロ台から7千ユーロを割り込むレベルまで下げた。商用車の売上高は同17.8%増の202億8,800万ユーロ(3兆3,067億円)と2ケタの伸びを示し、税引き前利益は同65.4%増の31億3,800万ユーロ(5,114億円)に急伸した。
新たな経営指標に電動車販売比率を採用
同社は今年から新たな経営指標として、新車販売台数に占める電動車割合を定めた。乗用車は19~21%と見込み、商用車は6~8%とした。また、今年の株式配当を前年の5.2ユーロから5.3ユーロに増配する。(2024年2月22日)