メルセデス・ベンツの米アラバマ工場で、従業員による全米自動車労組(UAW)への加盟投票が行われ組合結成が見送られた。4月には同じく独メーカーのフォルクスワーゲン(VW)で労組結成が決まり、UAWの外資工場での組織化が勢いづくと見られていたが、今回のメルセデス・ベンツの否決でトヨタ自動車や現代自動車などでの組織化運動にも影響を与えそうだ。
トヨタなど他メーカー動向に影響も
UAWのショーン・フェイン会長は現地時間の17日、メルセデス・ベンツのアラバマ工場での投票結果にコメントを発表しその敗北を認めると同時に、「彼らは『UAWバンプ』によって賃金を引き上げた。賃金階層を廃止した。職場環境の改善にまったく関心のないCEOを排除した」と述べ、今回のキャンペーン成果を強調した。
UAW・フェイン会長は成果を強調
労組結成の可否を問う選挙は、今月13日から17日まで、職場ごとに7会場で実施した。現地報道などによると、投票権を持つ従業員数は約5,200人で、賛成2,045反対2,642票で労組結成を否決した。
UAWはGMやフォードなど現地メーカーでの労使交渉で大幅な賃上げなどの成果を勝ち取ったことで、北米にある他の自動車メーカー14社でも約15万人の労働者の組織化を狙い取り組んでいる。すでに、VWで労組結成が決まり、今回のベンツなどの工場での反応が注目を集めていた。(2024年5月20日)