フォルクスワーゲン(VW)グループは、欧州市場向けに価格が2万ユーロ(340万円)前後となるエントリーモデルの電気自動車(BEV)開発に乗り出す方針を固めた。グループ経営委員会が承認した。欧州で生産し、2027年にも発売する。
2027年にも欧州域内で生産
フォルクスワーゲン グループのオリバー・ブルーメCEOは 「フォルクスワーゲン グループの強力なブランドは、何世代にもわたり、初めてのクルマ、そして手頃な価格のモビリティを連想させるもの。社会的責任を担うなか、未来志向のプロジェクトとしてヨーロッパ発、ヨーロッパのためのエントリーレベルの電動モビリティを提供していく」と述べ、手ごろな価格のBEVを欧州でも発売し欧州でのBEV普及を促す考えだ。
ブルーメCEO「産業立地としての欧州へのコミットメント」
最近では、EUや米政府が自国への中国メーカーによる安価なBEV輸出を警戒する声が高まっており、VWは中国メーカーにも対抗できる価格帯のBEV開発に乗り出すことで、こうした声にも応えていく考えだ。オリバー・ブルーメCEOは「産業立地としての欧州への明確なコミットメント、欧州の産業政策、そして最終的には欧州の顧客の利益のために行動することができる」とも話し、欧州産業の競争力維持をめざす姿勢を示した。
すでに、VWグループは早ければ2025年末にも、2万5千ユーロ(約424万円)以下のBEVを発表する予定だ。VWとクプラ(セアト製)が1台ずつ、計2台の新型コンパクトカーと、シュコダとVWから1台ずつの計2台の小型SUVの生産を計画している。いずれもスペインで生産する。今回、こうしたクラスを価格で下回る2万ユーロのモデルをラインナップすることで、欧州域内の幅広いBEV需要に応える。(2024年5月30日)