フォードモーターは4日、独ケルン工場で電気自動車(BEV)の量産を始めた。同社はケルン工場に約20億ドル(3,100億円)を投じBEV専用工場へ改修しており、新モデルの追加生産も計画するなど欧州でのBEV生産を本格化する。
年後半には新型スポーツクロスオーバーの生産も
生産を始めたのはSUV「エクスプローラー」のBEVで、1回のフル充電での航続距離は602km(WLTP)という。同工場では年後半にも、近く発表するBEV第2弾となる新型スポーツクロスオーバーの生産も加える。
フォードはこの「新しいEVセンター」と呼ぶケルン工場を軸に、2035年までに欧州の生産拠点、物流、一次サプライヤー全体でカーボンニュートラルをめざしている。欧州フォードのキーラン・ケーヒル副社長は、「1930年にフォードによって設立されたケルン工場が、最先端の電気自動車生産施設に生まれ変わった。新型オール・エレクトリック・エクスプローラーによる電気自動車の量産開始は、欧州におけるフォードの新時代の幕開けを意味する」と述べた。
デジタル・ツインの生産管理システムを導入
「ケルン電気自動車センター」は、最先端のAIと数百台の最新鋭ロボットを備え欧州市場向けに新世代のBEV生産を担う。なかでも、「デジタル・ツイン」による生産ラインで組み立て工程全体をリアルタイムで監視しているほか、すべてのワークステーションはタッチスクリーンを設け、ツーリング、材料供給、作業の安全性などに関する情報を表示している。(2024年6月5日)