欧州自動車部品工業会(CLEPA)は10日、欧州の新たな使用済み自動車規制(ELVR)に対する意見書、いわゆるポジションペーパーを発表した。ELVRの適用範囲を拡大する欧州委員会の狙いを支持する一方で、既存法令などとの整合性をとった明確な条文制定を求めた。同規制に対しては、自動車メーカー団体である欧州自動車工業会(ACEA)が懸念を表明する一方で、欧州リサイクル産業連盟(EuRIC)などリサイクル業界は評価する姿勢を打ち出している。
方向性を評価しながらも、運用の明確化を求める
CLEPAは、「本ポジションペーパーは、欧州の自動車供給業界が抱える課題を包括的に概観し、重要な提言を行うものだ」とし、その個別の内容についての意見を表明した。規制案で求めている新車向けプラスティックのうち25%以上を再生材とする目標については、「効果的な循環性対策」と評価しながらも、欧州委員会が再生プラスチックの利用可能性を自ら評価し原産地についても柔軟な対応を求めた。
また、再生プラスチックの含有量計算方法や地域由来となるレガシー物質への対応、情報要件の合理化、再製造の役割の認識、再使用または再製造のための部品の取り外しについて提言した。(2024年6月12日)