• 2024-09-29

ZFライフテック、着座位置で変わるエアバッグを開発

ZFライフテックは19日、自動運転時など乗員の異なる着座位置にも対応したエアバッグを開発し、年内にも実用化する、と発表した。シートの傾きや重量センサーに加え、室内カメラなど他のセンサーをシステムに組み込むことで、乗員の体重や身長に応じてエアバッグの膨張圧を変化させるという。レベル4など自動運転車の実走行に対応する。

新たなエアバッグは「デュアルコンツアー」で、着座位置に応じて2つのサイズでエアバッグを膨らませることができる。すでに、助手席側エアバッグを開発済で現在、運転席側の開発を進めている。このため、エアバッグを膨らますガス充填量を増やす必要があるとし、同社では 2 段階ガス ジェネレーターを用い、ステアリング・ホイールに内蔵する運転席用エアバッグにガスを充填する。

同時に、乗員の快適な着座位置にも対応するため、シートの傾きや重量センサー、さらに室内カメラなど他のセンサーをシステムに組み込み、乗員の体格に応じてエアバッグの膨張圧を変化させる。例えばステアリングホイールの後ろに背が高く体重の重い人がいることが認識されると、流出口が作動して膨張圧を高め、乗員をより強く拘束することができるとしている。

レベル3の自動運転はもとより、完全自動運転となるレベル4も実用化の視野に入ってきたなかで、乗員の着座姿勢も多様になると予想。背もたれの傾斜角度が約40度となる、コンフォートポジションではエアバッグと乗員の間の距離が大きすぎて「乗員を最適に保護できない」実験結果を得たという。このため、より自由な着座姿勢を取りやすい自動運転時に合わせたエアバッグ作動のシステム開発が求められているという。

ZFライフテックは今年5月に、ZF社のパッシブ・セーフティ・システム部門を分割した、新たな事業ブランド。(2024年6月19日)