独メルセデス・ベンツグループが26日発表した2024第2四半期(4~6月、Q2)決算は、新車販売の落ち込みを反映し営業収益は前年同期比3.9%減の367億4,300万ユーロ(6兆3,466億円)、利払い・税引き前利益(EBIT)は同19.1%減の40億3,700万ユーロ(6,973億円)と減収減益となった。利益率は前年同期よりも2ポイント低い11%となった。
営業利益率は2ケタ台を確保
期中の新車販売台数は同5.7%減の60万147台だった。うち乗用車の「カーズ」は同3.9%減の49万6,712台で、商用車の「バンズ」は同13.4%減の10万3,435台にとどまった。電気自動車(BEV)は同22.9%減の5万1,052台と落ち込み、PHEVを含む「xEV」は同5.7%減の9万5,172台と10万台を割り込んだ。
BEV販売は22%減の5万台に
乗用車の乗用車の地域別販売台数は、地元ドイツが同15.8%減の4万9,295台に大きく落ち込んだものの欧州全体では15万7,445台と同0.2%増えた。一方、北米は同4.6%減の9万4,175台、アジアは同5.7%減の21万745台にとどまった。最大市場の中国は同6%減の17万2,617台となったが、売上高では63億4,400万ユーロ(1兆958億円)と前年同期を5.5%上回った。
乗用車事業のQ1から改善も前年同期からは減少
事業部門別でみると、乗用車の「カーズ」調整後EBITは販売減が響き前年同期の38億ユーロから28億ユーロへと28.5%の大幅減に見舞われた。営業利益率(RoS)は10.2%となり、第1四半期(9.0%)よりも改善したものの前年同期からは大きく下がった。第1四半期に比べ、中国と米国での商品供給が改善したことでトップエンドの販売台数が第1四半期比で6%増加した。電気自動車(BEV)の新モデル「Gクラス」が発売したことでトップエンドモデルの在庫状況は好転したほか、Eクラスなどコアセグメントの販売台数が前年同期に比べ8%増えた。
商用車の「バンズ」の調整後営業利益率(RoS)は17.5%で、前年同期の15.5%から上昇した。販売台数は減少したものの値引き抑制とコスト低減などで支えた格好だ。調整後のEBITは同5%増の8億3,400万ユーロ(1,440億円)となった。「モビリティ」分野は、xEV車(BEVとPHEV)のシェアが増加したことで、BEVのリースあるいはローン割合は2台目に1台以上と過半数を占めるようになった。新規事業は141億ユーロ(2兆4,354億円)と前年実績(154億ユーロ)を下回わり、EBITは金利マージンの低下と信用リスク費用の増加により2億7,100万ユーロに減少した。
2024年上半期(1~6月)の営業収益は726億1,600万ユーロ(12兆5,429億円)と前年同期比4.1%減となり、EBITは同24.7%減の79億ユーロ(1兆3,645億円)にとどまった。新車販売台数は乗用車が同5.8%減の95万9,690台、バンが同4.4%減の20万8,860台で、合わせて同5.6%減の116万8,550台だった。(2024年7月26日)