フォルクスワーゲン(VW)が、電気自動車(BEV)を増産する計画だ。現地メディアが26日に報じた。VWは来年から、エムデン工場をBEV専門とする方針で、今年よりも5万台多い年産19万台を計画しているという。近く決定し、9月初旬にも工場従業員に示す予定としている。
5万台増の19万台生産計画
VWは2019年に発表した通り、エムデン工場で生産するミドルサイズセダン「アルテオン」を年内にも段階的に廃止し、来年からBEV専門工場とする計画だ。2022年には同社のモジュラー電気駆動マトリックス「MEB」を導入、同年5月から「ID.4」の生産を始めている。独ノルトヴェスト・ツァイトゥング紙によると、工場長のウーヴェ・シュヴァルツ氏が先週、2025年に19万台を生産する計画で、「ID.4」と「ID.7」が半々となることを明らかにしたという。VWは今週、来年の生産計画などを決めていく予定で、9月初旬には従業員に通知することになる。
「ID.7」の受注好調を受けて
同工場では今年14万台を生産する計画であることから、BEV専用工場となる来年にプラス5万台と増産することで、低迷する需要やバッテリー供給課題などネガティブな話題が相次ぐBEV事業へのVWの積極的な姿勢を示すものと受け止められている。なかでも、「今日、ID.7ツアラーを注文しても、来年まで手に入らない」(シュヴァルツ工場長)とコメントしており、好調な受注を見せている「ID.7」への対応する狙いだ。
VWは、エムデン工場で3直体制とすれば年間25万台の自動車生産を可能としている。今回、19万台の生産計画に対し現在の2直体制をフルに活用する必要があるとみている。(2024年8月27日)