フォルクスワーゲン(VW)は30日、ドイツのスタートアップ企業 「レボルテック」と提携し、産業用大麻から作った100%バイオベースのレザー代替素材を2028年から自動車内装に使用する、と発表した。廃車時にはリサイクルあるいは堆肥化が可能という。
残さの麻繊維を加工し人工皮革化
VWが採用するのは、レボルテックの「LOVRTM」で現在、VWとレボルテックの間で自動車内装材向けに開発している表面素材だ。食品業界向けに栽培されている産業用大麻を使ったもので、100%天然素材の単層表面素材としてLOVRTM(レザーフリー、オイルフリー、ヴィーガン、残留物ベースの頭文字)と名付けた。麻繊維とバイオベースの接着剤を特殊な技術で組み合わせ、表面素材に加工。これにより、循環型素材として地域の麻畑から調達され、耐用年数が過ぎれば完全にリサイクルまたは堆肥化が可能という。とくに、この素材は麻産業で利用されなくなった残さから生産される。既存の工業プラントで製造できるため、大規模生産にも適しているとしている。
VWブランドの戦略責任者であるアンドレアス・ヴァリンゲン氏は、「持続可能な資源の利用は、当社のACCELERATE戦略の重要な柱であり、当社の考え方や行動にしっかりと根付いている。当社の明確な目標は、顧客の要望、持続可能性の要件、企業利益を融合させることだ」と指摘した。(2024年8月30日)